第131回 月次決算ルーチンゼロ入門:試算表作成から税務チェックまで(続けられる月次ワークシート付き)

月次決算は範囲が広く、どこから手を付ければよいか迷いやすいものです。まずは「続けられる仕組み」を作ることが合格への近道です。本記事は試算表作成の実務手順と、毎月のチェックリスト・ワークシートをHTMLテーブル形式で提供します。短時間で回せる『ミニタスク』化を重視しています。

月次決算の目的とフロー(簡潔)

目的 主要工程
経営判断の材料を作る 仕訳入力 → 試算表作成 → 差異分析
税務・法令のチェック 消費税・源泉・固定資産の確認
決算業務の省力化 月次で整理し決算整理を減らす

月次作業一覧チェックリスト

工程 内容 担当 頻度
入力 全ての仕訳・入出金を会計ソフトへ入力 経理担当 毎日〜週次
訂正 入力漏れ・勘定科目の修正 経理担当/上長確認 月次
締め 試算表作成・残高確認 経理担当 月次(締切日)
確認 税務・資金・経営指標のチェック 経営者/税理士 月次

試算表作成手順(ステップ表)

手順番号 作業 確認ポイント
1 帳簿・伝票の検収 未入力・二重計上がないか
2 残高試算表の出力 勘定科目残高の整合
3 決算整理仕訳(見越・前払等の計上) 当期未経過・未提供の表示
4 試算表の再出力とチェック 貸借一致・科目の妥当性

よくある月次仕訳パターン(例)

状況 借方 貸方 決算時の注意
前払費用(年払保険料を当月支払) 前払費用 現金預金 未経過分は月割で按分する
未払費用(外注費の未払) 外注費 未払金 発生主義で当期帰属分を計上
未収収益(サービス提供済で請求未発行) 未収入金 売上高 請求基準により当期計上
前受収益(前受金) 現金預金 前受金 履行完了で収益へ振替

税務チェックリスト(簡易)

項目 月次着眼点
消費税 課税売上・仕入の記録、簡易課税適用要件の確認
源泉徴収 給与・報酬の源泉税納付漏れがないか
固定資産・減価償却 取得・売却・償却の月次反映と耐用年数の確認

差異分析の簡易テンプレ

比較項目 今月 前年同月 差額 差異率
売上高 ○○円 ○○円 差額を記入 差異率を計算

毎月続けられるワークシート(テンプレ)

以下はWordPressにそのまま貼れるワークシート例です。コピーして使ってください。

項目 チェック欄 備考
仕訳入力完了 未入力があれば明示する
試算表出力 貸借一致を確認
税務チェック 源泉・消費税等

短めの演習問題(5問)

  • 問題1:当月中に年払の保険料100,000円を支払。翌年分の未経過分がある。決算時の月次仕訳は?
    解答:借方 前払費用、貸方 現金預金(未経過分を金額で月割計上)
  • 問題2:サービスを12月に提供、請求は翌1月。12月の仕訳は?
    解答:借方 未収入金、貸方 売上高(当期帰属分を計上)
  • 問題3:外注費が月末に発生したが未払。仕訳は?
    解答:借方 外注費、貸方 未払金(発生主義)
  • 問題4:固定資産を購入し、月中に取得。減価償却は月次計上する場合の仕訳は?
    解答:借方 減価償却費、貸方 減価償却累計額(按分で月割)
  • 問題5:得意先から前受金を受領し、提供は翌月。仕訳は?
    解答:借方 現金預金、貸方 前受金(履行前は負債計上)

週次/月次の練習メニュー(継続しやすい分割)

  • 週次(15分×1回):未入力伝票の確認と即入力
  • 週次(30分×1回):主要仕訳パターンの復習(第130回のドリル参照)
  • 月次(30分):試算表作成→税務チェック→差異分析の簡易実施

まとめ

月次決算は「完全」でなくても継続することが大切です。まずは入力の習慣化、次に試算表と簡易税務チェック、最後に差異分析を毎月回す流れを作ってください。今回の表とワークシートはそのままコピーして使えます。少しずつ習慣化して、仕訳力を実務に結びつけましょう。

関連記事案:第130回(仕訳実践ドリル)、第116回(決算整理仕訳)、第126回(キャッシュフロー)