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第228回 未払司法書士報酬の支払ゼロ入門:5,105円が一致すれば支払調書は再訂正なし(5日練習付き)

第227回では、氏名を誤った支払調書を無効分と訂正分に分けて送信しました。

今回は、その訂正後に司法書士報酬を支払います。

未払時に見積もった税額5,105円と、支払時に実際に徴収した税額5,105円が一致すれば、支払ったことだけを理由に支払調書を再訂正する必要はありません。

帳簿では、支払日に未払金を消して預り金を計上し、納付日に預り金を消します。

1.五つの日付を分ける

日付 処理 帳簿への影響
2026年12月25日 報酬と消費税等が確定 費用、仮払消費税等、未払金を計上
2027年1月10日 未払額を内書きした支払調書を提出 仕訳なし
2027年1月12日 司法書士Bの氏名を訂正 仕訳なし
2027年1月20日 報酬等を支払い、5,105円を源泉徴収 未払金と普通預金が減り、預り金が増える
2027年2月10日 源泉所得税等を納付 普通預金と預り金が減る

支払調書の提出、報酬の支払、源泉所得税等の納付は別の出来事です。提出や訂正だけでは、帳簿の残高は変わりません。

2.内書きは訂正分を作成した時点で判断する

国税庁の令和8年分法定調書の手引第4章では、支払調書の作成日現在で未払の金額がある場合、支払金額と未徴収税額を内書きすることとされています。

訂正分を作成した1月12日には、まだBへ支払っていません。記載する金額は次のとおりです。

欄 記載額 うち未払・未徴収の内書き
支払金額 60,000円 60,000円
源泉徴収税額 5,105円 5,105円

1月20日に支払っても、1月12日現在の記載が誤りになるわけではありません。内書きをゼロにするためだけの再訂正は行いません。

手引が訂正を求めているのは、未払時の見積税額と、その後に実際に徴収した税額が異なった場合です。氏名や支払金額などに別の誤りが見つかった場合は、それとは別に訂正の要否を判断します。

3.支払時の税額と振込額を計算する

国税庁のNo.2801「司法書士等に支払う報酬・料金」によると、司法書士報酬の源泉徴収税額は、同一人への1回の支払金額から10,000円を差し引き、その残額に10.21%を乗じて計算します。1円未満の端数は切り捨てます。

請求書で報酬と消費税等が明確に区分されているため、本設例では報酬60,000円だけを計算対象にします。

(60,000円-10,000円)×10.21%=5,105円

国税庁の「防衛特別所得税及び復興特別所得税の源泉徴収のあらまし」では、2027年1月以後の源泉徴収について、防衛特別所得税の創設後も合計税率と計算方法は変わらないとされています。このため、本設例でも10.21%を用います。

項目 計算 金額
司法書士報酬 源泉徴収の計算対象 60,000円
消費税等 報酬と明確に区分 6,000円
請求額 60,000円+6,000円 66,000円
源泉所得税等 (60,000円-10,000円)×10.21% 5,105円
Bへの振込額 66,000円-5,105円 60,895円

見積税額と実徴収額はいずれも5,105円です。したがって、今回の支払による支払調書の再訂正はありません。

4.1月20日は未払金を消す

費用と仮払消費税等は2026年12月25日に計上済みです。支払日に費用を重ねて計上せず、未払金66,000円を消します。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
未払金 66,000円 普通預金 60,895円
    預り金(源泉所得税等) 5,105円

貸方は、60,895円+5,105円=66,000円です。借方と貸方は一致しています。

5.2月10日に源泉所得税等を納付する

司法書士報酬から源泉徴収した税額は、原則として支払った月の翌月10日までに納付します。T社は納期の特例を適用していないため、2027年1月20日支払分の納期限は2月10日です。

e-Taxでは給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書を使用します。計算書データの送信と納付は分けて考え、実際に納付した時点で仕訳します。

借方科目 借方金額 貸方科目 貸方金額
預り金(源泉所得税等) 5,105円 普通預金 5,105円

6.残高を検算する

科目 1月20日支払前 1月20日支払後 2月10日納付後
普通預金 100,000円 39,105円 34,000円
未払金 66,000円 0円 0円
預り金(源泉所得税等) 0円 5,105円 0円
  • Bへの振込額60,895円+国への納付額5,105円=66,000円
  • 普通預金の減少額100,000円-34,000円=66,000円
  • 支払と納付の終了後は、未払金と預り金がいずれも0円

請求額、二つの支出額、普通預金の減少額が一致しました。

7.5日で確認する

日 練習内容 確認点
1日目 五つの日付を並べる 費用計上日、提出日、訂正日、支払日、納付日を分ける
2日目 5,105円と60,895円を計算する 10,000円を差し引いてから10.21%を乗じる
3日目 1月20日の仕訳を書く 未払金を消し、預り金を計上する
4日目 再訂正の要否を答える 見積税額と実徴収額が一致するか確認する
5日目 納付後の残高を計算する 普通預金34,000円、未払金0円、預り金0円

8.まとめ

  • 未払額と未徴収税額は、支払調書を作成した時点の金額を内書きする
  • (60,000円-10,000円)×10.21%=5,105円
  • 見積税額と実徴収額が同じなら、後日の支払だけを理由に再訂正しない
  • 支払日は未払金を消して預り金を計上し、納付日は預り金を消す
  • 納付後の残高は、普通預金34,000円、未払金0円、預り金0円

支払調書は作成日時点、帳簿は取引日、源泉所得税等は支払日と納付日で整理します。日付を分ければ、内書きと残高を混同しません。