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第35回 簿記入門(28) ケーススタディ集

第35回 簿記入門(28)
財務諸表をどう使うか
― ケーススタディで学ぶ、数字からの判断 ―

第34回では、
数字に強い人が、どこを見て判断しているのか
を整理しました。

今回は総合実践編として、
実際の会社を想定したケースをもとに、
財務諸表をどう使うかを確認します。


ケース① 売上成長中だが資金繰りが苦しい会社

状況

  • 売上は前年比120%
  • 社員も増え、事業は拡大中

P/L(抜粋)

売上 2,400万円
当期純利益 180万円

B/S(ポイント)

現金・預金 90万円
売掛金 780万円
借入金 1,100万円

判断

  • 売上成長=現金増加ではない
  • 売掛金が資金繰りを圧迫

成長のスピードに、回収と資金管理が追いついていない


ケース② 利益は少ないが安定している会社

状況

  • 売上は横ばい
  • 派手な成長はない

P/L(抜粋)

売上 1,600万円
当期純利益 60万円

B/S(ポイント)

現金・預金 420万円
売掛金 120万円
借入金 300万円

判断

  • 現金が厚く、売掛金が少ない
  • 借入への依存度も低い

成長は遅いが、倒れにくい会社


ケース③ 投資判断で迷っている会社

状況

  • 新設備に500万円投資予定
  • 売上増加は不確実

見るべきポイント

現金残高 投資後も運転資金が残るか
営業CF 本業で回せているか
回収期間 何年で投資回収できるか

「儲かりそう」より「耐えられるか」


ケース④ 借入をどう判断するか

状況

  • 一時的な資金不足
  • 銀行から融資提案あり

チェック視点

用途 運転資金か、赤字補填か
返済原資 営業CFで返せるか
期間 短期で詰まらないか

借入は「延命」ではなく「整理」に使う


まとめ

  • 数字は判断の材料
  • 会社ごとに正解は違う
  • 重要なのは「倒れないこと」

会計が分かるとは、
数字から未来を想像できること
です。