減価償却が理解できたと思った直後に、
一気に難易度が上がるのが「固定資産の処分」です。
特に試験では、
- 減価償却したあとに売却
- 帳簿価額が残ったまま除却
- 売却損・売却益の判定
といった複合パターンが頻出します。
今回は、
どんな問題でも同じ手順で処理できる考え方
を、実例で確認していきましょう。
1.固定資産処分の基本手順
どんなケースでも、必ずこの順番です。
- ① 減価償却累計額を確認する
- ② 帳簿価額を計算する
- ③ 処分価額と比較する
この型を崩さなければ、迷いません。
2.売却の実例(売却益が出るケース)
例①
取得価額500,000円の備品を売却した。
減価償却累計額は300,000円。
売却代金は250,000円、代金は現金で受け取った。
ステップ① 帳簿価額
500,000 − 300,000 = 200,000円
ステップ② 売却価額と比較
- 売却価額:250,000円
- 帳簿価額:200,000円
→ 50,000円多く売れている → 売却益
仕訳
現金 250,000 / 備品 500,000
備品減価償却累計額 300,000
固定資産売却益 50,000
3.売却の実例(売却損が出るケース)
例②
取得価額600,000円の車両運搬具を売却した。
減価償却累計額は400,000円。
売却代金は150,000円。
帳簿価額
600,000 − 400,000 = 200,000円
比較
- 売却価額:150,000円
- 帳簿価額:200,000円
→ 50,000円足りない → 売却損
仕訳
現金 150,000 / 車両運搬具 600,000
固定資産売却損 50,000
車両運搬具減価償却累計額 400,000
4.除却の実例(売れずに処分)
例③
取得価額400,000円の備品を除却した。
減価償却累計額は320,000円。
帳簿価額
400,000 − 320,000 = 80,000円
売却代金はありません。
→ 帳簿価額はそのまま除却損
仕訳
固定資産除却損 80,000 / 備品 400,000
備品減価償却累計額 320,000
5.完全に償却済みの資産を処分する場合
例④
取得価額300,000円、減価償却累計額300,000円の備品を除却した。
帳簿価額
0円
→ 損も益も出ません。
仕訳
備品減価償却累計額 300,000 / 備品 300,000
このパターンは、
試験で「引っかけ」としてよく出ます。
6.よくある失敗
- いきなり仕訳を書き始める
- 帳簿価額を出さずに益損を判断する
- 累計額を書き忘れる
必ず、
帳簿価額 → 比較 → 仕訳
の順番を守りましょう。
まとめ
- 固定資産処分は「型」で処理する
- 最初に帳簿価額を出す
- 売却価額との差が益か損
次回は、
👉 「商品売買と固定資産処分が同時に出る総合問題の解き方」
をテーマにすると、簿記論レベルの総合問題にかなり強くなります。
