第49回 固定資産の売却・除却・廃棄を実例で完全攻略する

減価償却が理解できたと思った直後に、
一気に難易度が上がるのが「固定資産の処分」です。

特に試験では、

  • 減価償却したあとに売却
  • 帳簿価額が残ったまま除却
  • 売却損・売却益の判定

といった複合パターンが頻出します。

今回は、
どんな問題でも同じ手順で処理できる考え方
を、実例で確認していきましょう。


1.固定資産処分の基本手順

どんなケースでも、必ずこの順番です。

  1. ① 減価償却累計額を確認する
  2. ② 帳簿価額を計算する
  3. ③ 処分価額と比較する

このを崩さなければ、迷いません。


2.売却の実例(売却益が出るケース)

例①
取得価額500,000円の備品を売却した。
減価償却累計額は300,000円。
売却代金は250,000円、代金は現金で受け取った。

ステップ① 帳簿価額

500,000 − 300,000 = 200,000円

ステップ② 売却価額と比較

  • 売却価額:250,000円
  • 帳簿価額:200,000円

→ 50,000円多く売れている → 売却益

仕訳

現金 250,000 / 備品 500,000
      備品減価償却累計額 300,000
      固定資産売却益 50,000


3.売却の実例(売却損が出るケース)

例②
取得価額600,000円の車両運搬具を売却した。
減価償却累計額は400,000円。
売却代金は150,000円。

帳簿価額

600,000 − 400,000 = 200,000円

比較

  • 売却価額:150,000円
  • 帳簿価額:200,000円

→ 50,000円足りない → 売却損

仕訳

現金 150,000 / 車両運搬具 600,000
固定資産売却損 50,000
      車両運搬具減価償却累計額 400,000


4.除却の実例(売れずに処分)

例③
取得価額400,000円の備品を除却した。
減価償却累計額は320,000円。

帳簿価額

400,000 − 320,000 = 80,000円

売却代金はありません。

→ 帳簿価額はそのまま除却損

仕訳

固定資産除却損 80,000 / 備品 400,000
      備品減価償却累計額 320,000


5.完全に償却済みの資産を処分する場合

例④
取得価額300,000円、減価償却累計額300,000円の備品を除却した。

帳簿価額

0円

→ 損も益も出ません。

仕訳

備品減価償却累計額 300,000 / 備品 300,000

このパターンは、
試験で「引っかけ」としてよく出ます


6.よくある失敗

  • いきなり仕訳を書き始める
  • 帳簿価額を出さずに益損を判断する
  • 累計額を書き忘れる

必ず、
帳簿価額 → 比較 → 仕訳
の順番を守りましょう。


まとめ

  • 固定資産処分は「型」で処理する
  • 最初に帳簿価額を出す
  • 売却価額との差が益か損

次回は、
👉 「商品売買と固定資産処分が同時に出る総合問題の解き方」
をテーマにすると、簿記論レベルの総合問題にかなり強くなります。