第26回 簿記入門(19)
損益計算書は何を語っているのか
― 利益の正体を読み解く ―
前回(第25回)では、
決算とは何をしている作業なのかを全体像で整理しました。
今回からは、
決算で完成した財務諸表そのものの読み方に入ります。
まず扱うのは、
損益計算書(P/L)です。
1. 損益計算書とは何か
損益計算書とは、
一定期間(通常は1年)における
経営成績を表す書類
です。
ここで重要なのは、
損益計算書は「儲かったかどうか」だけでなく、
どうやって儲かったかを示している
という点です。
2. 損益計算書の基本構造
損益計算書は、
大きく見ると次のような構造になっています。
| 区分 | 意味 |
|---|---|
| 収益 | 売上など、稼いだ金額 |
| 費用 | その収益を得るために使ったコスト |
| 利益 | 収益 − 費用 |
この「利益」が、
段階的に計算されていくのが損益計算書の特徴です。
3. 利益には種類がある
損益計算書には、
実は複数の利益が登場します。
| 利益の種類 | 何が分かるか |
|---|---|
| 売上総利益 | 本業の基本的な儲け |
| 営業利益 | 本業全体の儲け |
| 経常利益 | 通常の事業活動での儲け |
| 当期純利益 | 最終的な儲け |
上から順に見ていくことで、
利益がどう積み上がってきたか
が分かります。
4. 具体例で見る損益計算書の読み方
例えば、次のような会社を考えてみましょう。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 売上 | 1,000 |
| 売上原価 | 600 |
| 販売費・一般管理費 | 300 |
この場合、
- 売上総利益:1,000 − 600 = 400
- 営業利益:400 − 300 = 100
となります。
ここを見ることで、
・原価は高すぎないか
・管理コストは適切か
といった経営の状態が見えてきます。
5. 損益計算書を読むときの視点
損益計算書を見るときは、
単に数字を追うのではなく、
次の視点を持つと理解が深まります。
| 見るポイント | 意味 |
|---|---|
| 売上と売上原価の関係 | 商品・サービスの収益性 |
| 営業利益の水準 | 本業が安定しているか |
| 経常利益と営業利益の差 | 本業以外の影響 |
| 当期純利益 | 最終的な成果 |
まとめ
- 損益計算書は「成績表」
- 利益は1種類ではない
- 段階ごとに理由を考えて読む
- 経営の強み・弱みが見えてくる
損益計算書が読めるようになると、
数字が単なる記号ではなく、会社の物語
として見えてきます。
次回予告(第27回)
次回は、
貸借対照表(B/S)の読み方を扱います。
「どれだけ持っている会社なのか」を、
構造から読み解いていきます。
