前回(第18回)では、
前払費用・未払費用を通じて、
「費用は現金ではなく、期間で決まる」という考え方を完成させました。
今回はその反対側です。
もうお金をもらったのに、収益じゃないもの
まだお金をもらっていないのに、収益になるもの
これを整理するのが、
前受収益と未収収益です。
1. 前受収益 ― もらったが、まだ収益ではない
前受収益とは、
すでにお金を受け取っているが、まだサービスを提供していないもの
をいいます。
具体例
- 翌月分・翌年分の家賃を先にもらった
- 前受けした授業料・会費
現金は手元にありますが、
まだ仕事は終わっていません。
したがって、受け取った時点では収益ではなく「負債」として扱います。
(将来サービスを提供する義務があるためです)
サービスを提供した時点で、
はじめて収益に振り替えます。
2. 未収収益 ― 収益だが、まだもらっていない
未収収益は、前受収益とは逆です。
すでにサービスは提供しているが、まだお金を受け取っていないもの
を指します。
具体例
- 利息収益(入金は翌期)
- 月末締めで翌月請求する手数料収入
仕事は終わっている。
つまり、収益は今期に属しています。
ただし入金がまだなので、
その分を資産(未収収益)として計上します。
3. 費用との完全な対称関係
ここまでで、気づいたかもしれません。
| 費用 | 収益 |
|---|---|
| 前払費用 | 前受収益 |
| 未払費用 | 未収収益 |
費用と収益は、
鏡写しの関係になっています。
4. 収益も「現金」ではなく「期間」で決まる
まとめると、収益についても判断基準は同じです。
- 前受収益:先にもらったが、期間はこれから
- 未収収益:期間は終わったが、入金はこれから
現金の有無は関係ありません。
「いつ、何を提供したか」
これが収益計上の基準です。
【図】収益計上の全体マップ(まとめ)
まとめ
- 前受収益:もらったが、まだ収益でない
- 未収収益:収益だが、まだもらっていない
- 判断基準は常に「期間」
これで、
発生主義は費用・収益の両面から完成です。
次回予告(第20回)
次回は、
「決算整理仕訳とは何をしているのか」を総復習します。
なぜ決算で大量の仕訳を入れるのか。
その意味を、ここまでの知識で一本につなげます。
