第55回では精算表まで進みました。
今回はその最後の仕上げ、損益振替と繰越処理です。
ここが理解できると、「1年の流れ」が一本につながります。
試験でも頻出ですので、構造から押さえましょう。
1. 損益振替とは何か?
1年間で発生した収益と費用をゼロにする作業です。
その差額(利益または損失)を繰越利益剰余金へ移します。
| ステップ | やること |
|---|---|
| ① 収益の振替 | 収益を「損益」勘定へ移す |
| ② 費用の振替 | 費用を「損益」勘定へ移す |
| ③ 損益の振替 | 損益の残高(=利益または損失)を繰越利益剰余金へ |
2. 具体例で理解する
【資料】
- 売上 1,000,000円
- 仕入 600,000円
- 給料 200,000円
利益=1,000,000−600,000−200,000=200,000円
① 収益の振替
(借)売上 1,000,000 /(貸)損益 1,000,000
→ 売上はゼロになる。
② 費用の振替
(借)損益 800,000 /(貸)仕入 600,000
給料 200,000
→ 費用もゼロになる。
③ 損益の振替(利益の場合)
損益の残高は貸方200,000(利益)。
(借)損益 200,000 /(貸)繰越利益剰余金 200,000
→ 損益もゼロになり、利益は純資産へ。
3. 損失の場合は?
もし費用が収益より多ければ「損失」です。
例:売上 500,000円、費用 700,000円 → 損失 200,000円
(借)繰越利益剰余金 200,000 /(貸)損益 200,000
利益と損失で借貸が逆になる点に注意。
4. 繰越処理とは?
資産・負債・純資産は次の期に持ち越します。
(借)次期繰越 /(貸)各資産・負債 という形で締め切ります。
※実際の試験では精算表で表現されることが多いです。
5. 練習問題
問題1
次の科目について損益振替を行いなさい。
- 売上 900,000円
- 仕入 500,000円
- 給料 250,000円
解答を見る
利益=900,000−500,000−250,000=150,000円
①(借)売上 900,000 /(貸)損益 900,000
②(借)損益 750,000 /(貸)仕入 500,000
給料 250,000
③(借)損益 150,000 /(貸)繰越利益剰余金 150,000
問題2(損失の場合)
売上 400,000円、費用合計 600,000円の場合の損益振替をしなさい。
解答を見る
損失=200,000円
最後の仕訳:
(借)繰越利益剰余金 200,000 /(貸)損益 200,000
6. よくあるミス
- 損益の残高の向きを間違える
- 利益と損失で仕訳が逆になる点を忘れる
- 費用を振替忘れする
損益振替は「ゼロにする作業」です。
すべての収益・費用が消えることを確認しましょう。
次回予告
第57回では、決算全体の総合問題を扱います。
試算表 → 整理 → 精算表 → 損益振替までを一気に解きます。
