第48回 減価償却を「実例」で完全に理解する――なぜ毎年費用になるのか

決算整理仕訳の中でも、
最後まで苦手意識が残りやすいのが「減価償却」です。

計算式は覚えた。
定額法・定率法も分かる。

それでも本試験になると、

  • 仕訳の方向に迷う
  • 月割・年割で混乱する
  • なぜこの金額なのか不安になる

今回は、
「減価償却は何をしている処理なのか」
を実例で徹底的に整理します。


1.減価償却を一言でいうと

「高額なモノの代金を、使った年数に分けて費用にする」

これだけです。

現金は、
買ったときに一気に出ていく
でも、

費用は、
使った期間に分けて計上する

ここが、減価償却の本質です。


2.建物の実例

例① 建物
4月1日に建物2,000,000円を購入した。
耐用年数は20年、定額法を用いる。

まず、日本語に戻します。

  • 建物は長く使う
  • 20年にわたって会社に貢献する

→ 今年1年分だけ費用にする

年間の減価償却費

2,000,000 ÷ 20年 = 100,000円

ただし、4月1日取得なので、今年は12か月中9か月分。

当期の減価償却費

100,000 × 9/12 = 75,000円

決算整理仕訳

減価償却費 75,000 / 建物減価償却累計額 75,000


3.備品の実例

例② 備品
10月1日に事務用備品300,000円を購入した。
耐用年数は5年とする。

ここでも考え方は同じです。

  • 備品も数年使う
  • 今年使った分だけ費用にする

年間の減価償却費

300,000 ÷ 5年 = 60,000円

10月1日取得なので、当期は3か月分。

当期の減価償却費

60,000 × 3/12 = 15,000円

決算整理仕訳

減価償却費 15,000 / 備品減価償却累計額 15,000


4.車両運搬具の実例

例③ 車両運搬具
期首に車両600,000円を取得している。
耐用年数は6年とする。

この場合は、月割計算は不要です。

年間の減価償却費

600,000 ÷ 6年 = 100,000円

決算整理仕訳

減価償却費 100,000 / 車両運搬具減価償却累計額 100,000

取得時期によって、
月割が必要かどうかが変わる
ここは試験でよく狙われます。


5.よくあるミス

① 現金が動かないのに不安になる

減価償却は、現金と関係ありません

② 資産を直接減らしてしまう

原則は、
「資産 − 累計額」
で管理します。

③ 月割を忘れる・逆にしてしまう

取得日を必ず確認しましょう。


まとめ

  • 減価償却は「分割払いの費用化」
  • 現金は無視してOK
  • 使った期間分だけ費用にする

次回は、
👉 「減価償却と固定資産売却が絡むときの実戦処理」
をテーマにすると、応用問題への耐性が一気に上がります。