日別アーカイブ: 2026年2月3日

第45回 実戦で差がつく「仕訳の総合力」――売上・仕入・諸経費を一気に処理する

第45回 実戦で差がつく「仕訳の総合力」――売上・仕入・諸経費を一気に処理する

ここまで、

  • 売上の認識
  • 仕入の処理
  • 各種費用(旅費交通費・通信費・消耗品費など)

を個別には見てきました。

しかし、試験で問われるのは「1つずつ」ではありません。
実際の問題では、これらがまとめて、連続して、しかも時間制限つきで出てきます。

今回は、「実戦で仕訳が崩れやすいポイント」を意識しながら、
仕訳の総合処理力を鍛えていきましょう。


1.実戦問題で起こりがちなミス

まず、よくある失敗から整理します。

① 勘定科目は合っているが、貸借が逆

→ 理解不足というより、スピード優先による事故が多いです。

② 消費税の扱いで迷って止まる

→ 税抜・税込の判断に時間を使いすぎるケースです。

③ 仕訳は合っているのに、金額を間違える

→ 問題文を「流し読み」しているサインです。

これらはすべて、知識の問題ではなく「処理の型」ができていないことが原因です。


2.仕訳は「3ステップ」で処理する

実戦では、次の順番を体に染み込ませるのが重要です。

ステップ① 取引の性質を一瞬で判断

  • 売上か
  • 仕入か
  • 費用か
  • 資産の増減か

ここで迷うと、すべてが崩れます。

ステップ② 現金か、掛けか

  • 現金・普通預金 → すぐ動く
  • 売掛金・買掛金 → 将来動く

まず「現金が動いたか?」を見るクセをつけましょう。

ステップ③ 費用・収益は期間対応を意識

  • 今期の費用か
  • 次期以降の費用か

ここが、後の決算整理仕訳につながります。


3.総合例題で確認してみる

例)
商品100,000円を掛けで販売した。送料3,000円を現金で支払った。
なお、送料は当社負担とする。

この場合、取引は2つあります。

① 商品の販売

売掛金 100,000 / 売上 100,000

② 送料の支払い

発送費 3,000 / 現金 3,000

ここで重要なのは、「売上と送料を無理にまとめない」ことです。

試験では、
「まとめて1仕訳にしなさい」
とは、ほぼ書かれていません。


4.仕訳を速く、正確にするコツ

✔ 勘定科目を増やしすぎない

初心者ほど細かく分けたがりますが、試験では標準的な科目で十分です。

✔ 迷ったら立ち止まらない

完璧を狙わず、7割の確信で書いて次に進む勇気も必要です。

✔ 仕訳は「文章を日本語に戻す」

一度、頭の中で「何が起きたか」を短い日本語に戻すと、ミスが激減します。


5.ここが合否を分ける

税理士試験(特に簿記論・財表)では、

  • 難問を解ける人

よりも

  • 基本を崩さない人

が合格します。

仕訳の総合力は、点数を積み上げるための土台です。


まとめ

  • 仕訳は「知識」より「型」
  • 実戦では複数取引を冷静に分解
  • 迷わず、止まらず、基本を守る

次回は、
👉 「決算整理仕訳で一気に点を落とす人の共通点」
をテーマに進めるのがおすすめです。