日別アーカイブ: 2026年1月14日

第31回 簿記入門(24) 良いCF・悪いCFの見分け方

第31回 簿記入門(24)
良いキャッシュ・フロー、悪いキャッシュ・フロー
― 黒字でも危ない会社、赤字でも強い会社 ―

前回(第30回)では、
キャッシュ・フローは「営業・投資・財務」の3つに分けて考える
ことを学びました。

今回は、その知識を使って、
会社の状態を判断するところまで踏み込みます。

テーマは、

良いキャッシュ・フローと、悪いキャッシュ・フローの違い

です。


1. 「良い・悪い」は合計額だけでは分からない

キャッシュ・フローを見るとき、
つい現金が増えたか減ったかだけを見がちです。

しかし、本当に大切なのは、

どこからお金が入り、
どこへ出ていったのか

という中身です。


2. 実例① 黒字だが「悪いCF」の会社

まずは、
損益計算書では黒字の会社を見てみます。

損益計算書(抜粋)

項目 金額(万円)
当期純利益 200

一見すると、
好調な会社に見えます。

キャッシュ・フローの内訳

区分 金額(万円)
営業CF ▲120
投資CF ▲30
財務CF +200
現金の増減 +50

現金は増えていますが、

  • 本業(営業CF)はマイナス
  • 借入(財務CF)でお金を補っている

状態です。

この会社は、
「儲かっているように見えるが、自力では回っていない」

と評価できます。


3. 実例② 赤字だが「良いCF」の会社

次は逆の例です。

損益計算書(抜粋)

項目 金額(万円)
当期純損失 ▲40

P/Lだけ見ると、
不調な会社に見えます。

キャッシュ・フローの内訳

区分 金額(万円)
営業CF +180
投資CF ▲60
財務CF ▲50
現金の増減 +70

この会社は、

  • 本業でしっかり現金を生み
  • 借金を返しながら
  • 将来への投資もしている

状態です。

一時的な赤字でも、
体力のある会社

と言えます。


4. 良いCF・悪いCFを見分ける視点

チェックポイント 判断の目安
営業CF プラスが基本。マイナス続きは要注意
財務CF 借入頼みか、返済できているか
投資CF 将来につながる内容か

特に重要なのは、

営業CFが安定してプラスかどうか

です。


まとめ

  • 黒字=安全、とは限らない
  • 赤字=危険、とも限らない
  • お金の「出どころ」を見る
  • 営業CFが会社の生命線

キャッシュ・フローが読めるようになると、
会社の将来を現実的に判断できる
ようになります。


次回予告(第32回)

次回は、
財務諸表を使って会社を総合的に見る方法
を扱います。

P/L・B/S・CFをまとめて、
実践的な読み方を整理します。