第38回 簿記入門(実戦練習編③)
財務諸表を時間内に作る
― P/L・B/S 作成問題の実戦攻略 ―
前回(第37回)では、
精算表を一気に完成させる手順
を確認しました。
今回は、その最終ゴールである
財務諸表作成問題(損益計算書・貸借対照表)
を、
試験時間内に確実に完成させる
ための実戦的な考え方を整理します。
1. 財務諸表作成問題の位置づけ
簿記2級では、
- 精算表
- 決算整理後試算表
- 財務諸表作成
がセットで出題されることが多く、
財務諸表は「最後に書く作業」
になります。
つまり、
時間が足りなくなると、
まっ先に犠牲になる
部分でもあります。
2. 財務諸表作成で失敗する典型例
| 失敗例 | 原因 |
|---|---|
| どこから書くか迷う | 順番を決めていない |
| 金額を写し間違える | 転記の確認不足 |
| 時間が足りない | 全部を丁寧にやりすぎ |
これを防ぐには、
「書く順番」を固定する
ことが重要です。
3. 財務諸表はこの順番で書く
| 順 | 内容 | 理由 |
|---|---|---|
| ① | 損益計算書(費用・収益) | 数字が少なく計算が簡単 |
| ② | 当期純利益 | B/Sに必ず使う |
| ③ | 貸借対照表(資産・負債) | 残りを埋めるだけ |
先にP/L、後でB/S
が鉄則です。
4. 実戦例:損益計算書を先に完成させる
精算表から、
費用・収益科目だけを抜き出します。
| 科目 | 金額 |
|---|---|
| 売上 | 500,000 |
| 給料 | 180,000 |
| 減価償却費 | 20,000 |
| 貸倒引当金繰入 | 10,000 |
計算すると、
当期純利益 = 290,000
となります。
5. 当期純利益は「橋渡しの数字」
当期純利益は、
- 損益計算書の最下段
- 貸借対照表の純資産の部
の両方に登場します。
この金額が一致しない=必ずどこかでミス
6. 貸借対照表は「残りを埋める」
B/Sでは、
- 現金
- 売掛金(−貸倒引当金)
- 備品(−減価償却累計額)
- 買掛金
- 資本金
- 当期純利益
を転記していきます。
この時点では、
新しい計算はほぼありません。
7. 最後の確認ポイント(必須)
| 損益計算書の計算は合っているか |
| 当期純利益はP/LとB/Sで一致しているか |
| 貸借対照表の左右は一致しているか |
この3点を確認するだけで、
大きな失点は防げます。
まとめ
- 財務諸表は順番がすべて
- 先にP/L、後でB/S
- 当期純利益は最重要チェックポイント
次回は、
試験での時間配分と解き方
を扱います。
