第24回 簿記入門(17)
精算表から財務諸表をどう読み取るのか
― 損益計算書・貸借対照表が完成する瞬間 ―
前回(第23回)では、
精算表は決算作業を一覧で確認するための表
だということを学びました。
今回は一歩進んで、
精算表のどこを見れば、損益計算書と貸借対照表が完成するのか
を整理します。
1. 精算表は「完成図」ではない
まず大切な前提を確認します。
精算表そのものが、
財務諸表ではありません。
精算表はあくまで、
- 決算整理が正しく行われたか
- 数字がどこへ流れていくか
を確認するための途中経過の表です。
2. 精算表の「右側」が重要
精算表は横に区分が並んでいますが、
実際に財務諸表になるのは、右側の欄です。
| 精算表の欄 | 役割 |
|---|---|
| 損益計算書欄 | 収益・費用を集め、当期純利益を計算する |
| 貸借対照表欄 | 資産・負債・純資産を確定させる |
左側(試算表・決算整理欄)は、
あくまで「そこへ至るまでの過程」です。
3. 損益計算書はどこから作るのか
損益計算書(P/L)は、
精算表の「損益計算書欄」だけを縦に集計して作る
書類です。
| 精算表の項目 | 損益計算書での扱い |
|---|---|
| 収益の金額 | 上から順に合計される |
| 費用の金額 | 収益から差し引かれる |
| 差額 | 当期純利益(または損失) |
つまり、
精算表の右側を見れば、すでにP/Lは完成している
ということです。
4. 貸借対照表はどこから作るのか
貸借対照表(B/S)も同じです。
精算表の「貸借対照表欄」だけを集計して作る
| 精算表の項目 | B/Sでの意味 |
|---|---|
| 資産 | 期末時点で会社が持っている財産 |
| 負債 | 将来支払う義務 |
| 純資産 | 返済不要の自己資本 |
ここに、
損益計算書で確定した当期純利益が、
純資産として組み込まれる
ことで、
貸借対照表が完成します。
5. 精算表から財務諸表を読むコツ
精算表を見て混乱しないためには、
次の見方を意識すると効果的です。
| 見るポイント | 理由 |
|---|---|
| 左右の合計が一致しているか | 計算ミス・転記ミスの防止 |
| P/L欄とB/S欄を分けて考える | 役割の混同を防ぐ |
| 利益がどこへ行ったか | 損益と財産のつながりを理解する |
まとめ
- 精算表は「流れ」を確認する表
- 右側の欄が財務諸表の元データ
- P/Lで利益を確定し、B/Sへ引き継ぐ
- 精算表が読めれば、決算は怖くない
ここまで理解できれば、
決算の全体像は完全に頭の中で再現できる
ようになります。
次回予告(第25回)
次回は、
決算の全体像を最初から最後まで総復習します。
仕訳 → 決算整理 → 精算表 → 財務諸表、
その流れを一気に整理します。
