第14回 簿記入門(7) 現金取引と掛取引でB/Sはどう変わるのか

1.現金取引と掛取引の違いを整理しよう

会計の学習で、多くの人が混乱するのが
「現金取引」と「掛取引」の違いです。

まずは言葉の意味を、シンプルに押さえましょう。

  • 現金取引:お金の受け渡しがその場で行われる取引
  • 掛取引:後でお金を受け取る、または支払う取引

ポイントは、
「今、現金が動いているかどうか」
です。

2.現金取引がB/Sに与える影響

まず、現金取引から見てみましょう。

例:現金100円で商品を販売した場合

現金取引と掛取引によるB/Sの変化
現金取引と掛取引でのB/Sの変化

この取引で起こることは次の2つです。

  • 現金が増える(資産の増加)
  • 売上が発生する(収益)

P/Lで発生した利益は、
最終的に純資産を増やします。

その結果、B/Sでは、

  • 資産が増加
  • 純資産が増加

という、シンプルな変化になります。

3.掛取引がB/Sに与える影響

次に、掛取引を見てみましょう。

例:商品を100円で掛け販売した場合

この時点では、現金はまだ受け取っていません。

代わりに発生するのが、売掛金です。

  • 売掛金が増える(資産の増加)
  • 売上が発生する(収益)

この結果、B/Sでは、

  • 資産(売掛金)が増加
  • 純資産が増加

という動きになります。

4.掛取引では「負債」が増えるケースもある

掛取引は、売上だけでなく、
仕入や費用の支払い
でも登場します。

例:商品を掛けで仕入れた場合

  • 商品(資産)が増える
  • 買掛金(負債)が増える

このように掛取引では、
資産と負債が同時に増える
ケースがある点が重要です。

5.現金取引と掛取引の決定的な違い

ここで、両者の違いを整理します。

  • 現金取引:資産の中身が「現金」で動く
  • 掛取引:売掛金・買掛金という勘定科目が登場する

しかし、どちらの場合でも、


利益が出れば純資産が増える

という原則は変わりません。

6.仕訳を考えるときのコツ

現金取引か掛取引かで迷ったら、
次の質問を自分にしてください。

  1. 現金は、今動いているか?
  2. 後で受け取る・支払うお金はあるか?

これだけで、
使う勘定科目とB/Sの動きは自然に決まります。

7.まとめ

  • 現金取引は、その場で現金が動く
  • 掛取引では、売掛金・買掛金が登場する
  • どちらでも、利益は純資産を増やす
  • B/Sの変化を意識すると仕訳が楽になる

次回は、
「売掛金・買掛金が決済されたときのB/Sの動き」
を図で確認します。