1.仕訳が分からなくなる本当の理由
簿記や会計の学習で、多くの人がつまずくのが「仕訳」です。
借方・貸方、勘定科目、増える・減る……。
覚えることが多く、暗記になりがちです。
しかし、仕訳が分からなくなる最大の原因は、
「仕訳を単独で見てしまっていること」
にあります。
仕訳は、必ず
P/LとB/Sの両方を同時に動かしています。
2.仕訳の正体は「どこがどう動いたか」の記録

仕訳とは、簡単に言えば、
「会社の中で、何が増えて、何が減ったか」
を記録しているだけです。
そして、その動きは必ず次のどちらか(または両方)に影響します。
- B/S(資産・負債・純資産)
- P/L(費用・収益)
3.現金で商品を販売した場合
まず、最も基本的な例を見てみましょう。
現金100円で商品を販売した
このとき、会社では何が起きているでしょうか。
- 現金が増える(資産の増加)
- 売上が発生する(収益の増加)
これを仕訳で表すと、
借方:現金 100
貸方:売上 100
となります。
この仕訳は、
- B/S:資産(現金)が増える
- P/L:収益(売上)が増える
という同時進行の動きを記録しています。
4.費用が発生した場合
次に、費用が発生するケースを見てみます。
現金で消耗品を30円購入した
このときの変化は、
- 現金が減る(資産の減少)
- 費用が発生する(P/L)
仕訳は次のようになります。
借方:消耗品費 30
貸方:現金 30
ここでも、
- B/S:資産が減る
- P/L:費用が増える
という動きが、同時に起きています。
5.P/Lの結果は最終的にB/Sへ集まる
ここで重要なのは、
P/Lで発生した利益や損失は、そのまま終わらない
という点です。
収益と費用の差額である利益(または損失)は、
最終的に純資産を増減させます。
つまり、
仕訳 → P/Lが動く → 純資産が動く → B/Sが変わる
という一本の流れが、常に存在しています。
6.仕訳を見るときの正しい順番
仕訳を見るときは、次の順番で考えると迷いません。
- 何が起きたか(取引内容)
- 資産・負債・純資産のどれが動いたか
- 費用・収益は発生しているか
借方・貸方は、
この結果として自然に決まるもの
です。
7.税理士試験で仕訳が重要な理由
税理士試験では、仕訳そのものよりも、
「その仕訳が、どこにどう影響するか」
が問われます。
P/LとB/Sを切り離して考えていると、
応用問題で必ずつまずきます。
仕訳は、
P/LとB/Sを同時に動かすスイッチ
だと理解しておきましょう。
8.まとめ
- 仕訳は単なる暗記ではない
- 必ずP/LとB/Sを同時に動かしている
- まず「何が増え、何が減ったか」を考える
- P/Lの結果は最終的に純資産へ集まる
次回は、
「現金取引・掛取引でB/Sがどう変わるか」
を図を使って整理します。
