第6回 いまの自分がどこから始めるべきかチェックリスト

ここまでで、
第1回〜第5回を通して

  • 税理士という仕事と試験の全体像
  • 科目選択と受験順序の考え方
  • 勉強期間の目安と人生設計
  • 予備校・通信・独学の違い

をざっくり見てきました。
そろそろ頭に浮かぶのが、
「で、結局、自分はどこから始めればいいの?」という問いだと思います。

今回は、その疑問に答えるための
「現在地チェックリスト」を用意しました。
深く考えすぎず、直感でサクサク答えてみてください。


1.このチェックリストの使い方

各質問について、もっとも近い選択肢を1つ選んでください。
選択肢は基本的に A / B / C の3パターンです。

  • A: かなり初心者寄り
  • B: 中間レベル・経験少しあり
  • C: 経験・知識が比較的ある

最後に「Aが多い人」「Bが多い人」「Cが多い人」で、
このサイトでのおすすめスタート地点を案内します。


2.会計・簿記の「現在地」チェック

Q1.貸借対照表(B/S)や損益計算書(P/L)を見たことがありますか?

  • A: 見たことがほとんどない/言葉もよく分からない
  • B: 見たことはあるが、何となく雰囲気が分かる程度
  • C: 会社や簿記テキストでよく見ていて、おおよそ構造が分かる

Q2.「資産・負債・純資産・収益・費用」という5つの区分について

  • A: 名前もあまり聞いたことがない/すぐには説明できない
  • B: 名前は知っていて、ざっくりしたイメージなら話せる
  • C: どんな勘定科目がどの区分か、ある程度イメージできる

Q3.日商簿記の学習・資格について

  • A: まだ簿記の勉強はほぼ未経験
  • B: 3級テキストを少しやった/3級を持っているが忘れかけている
  • C: 日商簿記3級はしっかり理解済み/2級の勉強もしたことがある

3.勉強時間と生活リズムのチェック

Q4.1週間あたり、税理士関連の勉強に使えそうな時間は?

  • A: 5時間未満(週末に少し触れられるかどうか)
  • B: 5〜10時間くらい(平日少し+週末まとめて)
  • C: 10時間以上(平日もコンスタントに時間を取れる)

Q5.生活リズムの安定度は?

  • A: 残業・家事などで毎日バラバラ、決まった時間を確保しにくい
  • B: 忙しい日もあるが、週に数日は決まった時間を作れる
  • C: 比較的安定していて、毎日ほぼ同じ時間帯に勉強できる

4.学習習慣・メンタル面のチェック

Q6.「ひとりでコツコツ勉強すること」についてどう感じますか?

  • A: 正直かなり苦手。誰かにペースを作ってほしい
  • B: 得意ではないが、カレンダーなどを使えば何とか管理できる
  • C: 割と得意。自分で計画を立てて勉強するのが嫌いではない

Q7.これまでの資格試験や勉強経験について

  • A: 長期的な勉強を続けた経験がほとんどない
  • B: 短期〜中期の試験勉強はやったことがある(英検・TOEICなど)
  • C: 半年以上かけて何かの試験勉強を続けた経験がある

5.お金と勉強スタイルのチェック

Q8.年間で「勉強のために使っても良い」と思える予算感は?

  • A: まずは数万円以内で始めたい(市販本+オンライン無料コンテンツ中心)
  • B: 10万〜20万円くらいまでは投資してもよい
  • C: 合格のためなら、必要に応じてもう少し投資してもよい

Q9.予備校・通信・独学のイメージで一番しっくり来るのは?

  • A: まずは独学+低コストで様子を見たい
  • B: 通信講座など「半分サポートが欲しい」スタイルが合いそう
  • C: しっかり通学 or 本格的な通信で最短ルートを狙いたい

6.結果の読み方:「あなたのスタート地点」

ざっくりでいいので、A・B・Cがそれぞれ何個くらいあったかを数えてみてください。
(きっちり数えなくても、「A多めかな」「BとCが半々くらいだな」程度でOKです)

タイプ1:Aが多い人(ほぼ初心者/これから会計の世界に入る人)

おすすめのスタート地点:
このサイトでは、

  • Part 2:会計・簿記ゼロ入門(3級前の準備)

から始めるのがおすすめです。

まずは、

  • お金の流れ・取引の考え方(2-1)
  • 5つの区分(資産・負債・純資産・収益・費用)のイメージ(2-2)
  • 利益とは何か?(2-3)
  • B/S・P/Lを「図」で読む感覚(2-4, 2-5)

といった「会計のざっくり感覚」を掴むことからスタートしましょう。
いきなり税理士試験用のテキストに飛びつくより、
まずは土台を固めた方が、結果的に早く進めます。

タイプ2:Bが多い人(簿記3級レベル・基礎はあるが不安もある人)

おすすめのスタート地点:

  • Part 3:日商簿記3級 完全マスター講座を軸にしつつ、
  • 必要に応じてPart 2の要点だけ復習

というルートが適しています。

特に、

  • 「仕訳のルールは分かるが、いざ問題になると戸惑う」
  • 「決算整理や精算表あたりがあやしい」

という方は、3級の総仕上げをきちんとやり直しておくと、
税理士試験の会計科目(簿記論・財表)に入ったときの理解のスピードが全然違ってきます。

タイプ3:Cが多い人(簿記2級レベル/実務経験あり)

おすすめのスタート地点:

  • Part 4:日商簿記2級への橋渡し&ガイドを読みつつ、
  • その先のPart 5:会計科目の入り口(簿記論・財表)の内容を視野に入れる

という流れがイメージしやすいと思います。

すでに

  • 日商簿記2級を持っている
  • 経理・会計の実務を数年以上経験している

といった方であれば、
「税理士試験独特の出題形式」「理論問題」「時間配分」などを、
早めに意識した勉強へシフトしていくことができます。


7.このあと、何をすればいいか

チェックリストの結果をふまえて、
まずは次の2つを決めてみてください。

  1. このサイトのどのパートから読み始めるか
    (Part 2 / Part 3 / Part 4〜5 のいずれか)
  2. 1週間の中で「勉強する時間帯」を1つ決める
    例:平日21:00〜22:00は、必ず簿記のテキストを開く など

「どこから始めるか」が決まれば、あとは小さく一歩を踏み出すだけです。
このサイトでは、今後も

  • 会計・簿記の入門コンテンツ
  • 簿記3級・2級へのステップ
  • 税理士試験の会計・税法科目の入り口ガイド

を順番に整えていきます。
次回からは、Part 2(会計・簿記ゼロ入門)に入っていきましょう。