第12回 簿記入門(6)貸借対照表(B/S)を「流れ」で理解する

1.なぜ貸借対照表が分かりにくいのか

損益計算書(P/L)は、
「一定期間にどれだけもうかったか」
を表すため、比較的イメージしやすい書類です。

一方、貸借対照表(B/S)は、
「ある時点で、会社に何があり、誰からのものか」
を示します。

この「時点」「状態」という性質が、B/Sを分かりにくくしている最大の原因です。

ただし、B/Sを
「P/Lの結果が積み重なった姿」
と考えると、一気に見え方が変わります。

2.貸借対照表の基本構造(超重要)

貸借対照表は、必ず次の形をしています。

  • 左側:資産
  • 右側:負債 + 純資産

そして必ず、
資産 = 負債 + 純資産
が成り立ちます。

これは暗記ではなく、意味で理解することが重要です。

3.資産とは何か?

資産とは、
会社が持っている「使えるもの」
です。

現金、預金、売掛金、建物、備品などが該当します。

ポイントは、
将来お金を生む可能性があるもの
という視点です。

4.負債とは何か?

負債とは、
いずれ返さなければならないお金
です。

借入金、買掛金、未払金などがこれに当たります。

つまり負債は、
資産のうち、他人の持ち分
と考えると理解しやすくなります。

5.純資産とは何か?

純資産は、
資産から負債を引いた残り
です。

言い換えると、
本当に会社のものと言える部分
です。

そして非常に重要なのが次の点です。

利益が出ると純資産は増え、損失が出ると純資産は減ります。

6.P/LとB/Sはどうつながっているのか

ここが今回の最大のポイントです。

  • P/L:期間の成績表
  • B/S:その成績が反映された残高表

利益が出ると、次の流れが起こります。

  • 利益が出る
  • 純資産が増える
  • B/Sの右側が増える
  • 同額だけ資産も増える

つまり、
利益が出る=会社の体力が増える
ということです。

7.費用と収益はB/Sのどこに行くのか

よくある疑問ですが、
費用や収益はB/Sには直接表示されません。

一度P/Lで集計され、
最終的に純資産としてB/Sに反映されます。

この点を理解すると、
なぜB/Sだけを見ても経営状態が分からないのか、
なぜP/Lとセットで見る必要があるのか、
が自然と分かります。

8.税理士試験でのB/Sの位置づけ

税理士試験では、
単なる暗記や形式的な仕訳処理ではなく、


「なぜそうなるのか」
「どこに影響が出るのか」

が問われます。

B/Sを、
止まった表
ではなく、
P/Lの結果が積み重なった流れのある表
として理解することが、合格への近道です。

9.まとめ

  • B/Sは「ある時点の会社の姿」
  • 資産=負債+純資産は意味で理解する
  • 利益は純資産を増やす
  • P/LとB/Sは必ずセットで考える

次回は、
「仕訳がB/SとP/Lをどう同時に動かすのか」
を具体例で見ていきます。